GPT-6 Astra vs Claude Fable 5.1:ベンチマーク、API料金、実務での選び方
GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1は通常の入力・出力単価が同じですが、キャッシュ料金、長文コンテキストの課金ルール、生成速度、完了タスクあたりのコストは異なります。本稿では公式仕様、各社のベンチマーク、Artificial Analysisの独立データを組み合わせ、コーディング、ツール利用、文書分析、長時間Agentのどこで各モデルを選ぶべきかを、実践的なA/Bテスト方法とともに解説します。
目次

gpt 6 astra claude や claude astra で検索する人の多くは、OpenAIのGPT-6 AstraとAnthropicのClaude Fable 5.1を比較したいはずです。最初に混同しやすい点を整理すると、AstraはOpenAIのモデルであり、Claudeシリーズではありません。現在「Claude Astra」という名称のモデルは存在しません。
両モデルの公式基本料金は同じで、入力100万Tokenあたり10ドル、出力100万Tokenあたり50ドルです。しかし、実際の請求額と結果は同じとは限りません。Prompt Cache、Astraの272K入力しきい値、reasoning effort、実際のToken消費量、そしてモデルを動かすagent harnessがコストと品質を左右します。
実務向けの結論
- 多数のツールを使う処理、Computer Use、ターミナル作業、実行中に人が方向修正したいタスクでは、まずGPT-6 Astraを試します。
- 大きなコンテキストを何度も再利用する処理、非常に長い入力、長時間の自律実行、出力スループットを重視する処理では、まずClaude Fable 5.1を試します。
- コーディングは自分のリポジトリで両方をA/Bテストします。CodexやClaude Code内のモデルはシステムの一部であり、ランキングの差が別ツールでもそのまま再現されるとは限りません。
本稿の仕様、料金、公開評価データは 2026年9月18日 時点で確認しています。Production投入前には、各プロバイダーとBetterTokenの最新料金を再確認してください。
30秒で分かる比較
| 比較項目 | GPT-6 Astra | Claude Fable 5.1 |
|---|---|---|
| 提供元 | OpenAI | Anthropic |
| Model ID | gpt-6-astra | claude-fable-5-1 |
| コンテキスト / 最大出力 | 1,050,000 / 128,000 Token | 1,000,000 / 128,000 Token |
| 標準入力 / 出力 | 1M Tokenあたり $10 / $50 | 1M Tokenあたり $10 / $50 |
| Prompt Cache書き込み | 1M Tokenあたり $12.50 | 5分 $12.50、1時間 $20 / 1M Token |
| Prompt Cache読み取り | 1M Tokenあたり $1 | 1M Tokenあたり $0.25 |
| 長い入力の課金 | 272Kを超えると、リクエスト全体のinput/cacheが2倍、outputが1.5倍 | 1Mコンテキスト内は標準料金 |
| 独立Intelligence Index | 53 | 53 |
| 独立計測の出力速度 | 約51.3 Token/秒 | 約66.4 Token/秒 |
| 最初に試したい用途 | ツール中心Agent、Computer Use、対話的な軌道修正、ターミナル・科学ワークフロー | 再利用する長文コンテキスト、long-horizon Agent、キャッシュ中心処理、高い出力スループット |
これは万能ランキングではありません。タスクの形から最初の候補を選び、自分のデータ、ツール、受け入れ条件で検証するための案内図です。
同じ定価でも請求額が変わる理由
1. 単発の標準リクエストは同額
キャッシュなしの入力100K Token、出力10K Tokenなら次の通りです。
入力: 0.1 × $10 = $1.00
出力: 0.01 × $50 = $0.50
合計: $1.50
この条件では両モデルの公式コストは同じです。差が出るのは、コンテキストを再利用する、Astraの272Kを超える、effortを変える、または完了までのToken消費量が異なる場合です。
2. 100Kの共通プレフィックスを繰り返し読むならFableが有利
最初のリクエストで100K Tokenの共通プレフィックスをキャッシュに書き込み、その後9回は全量をキャッシュから読み取り、全体の出力が50K Tokenだったとします。Fableは5分キャッシュを使い、すべてTTL内でヒットすると仮定します。Astraの各リクエストは272K未満です。
Astra: 0.1 × $12.50 + 0.9 × $1.00 + 0.05 × $50 = $4.65
Fable: 0.1 × $12.50 + 0.9 × $0.25 + 0.05 × $50 = $3.975 ≈ $3.98
この計算は共通プレフィックスと出力だけを対象にし、各ターンの新規入力は別料金です。Fableの優位は実際にcache hitする場合に限られます。プレフィックスが変わる、TTLを過ぎる、同一ブロックを再利用しない場合は再書き込みが必要です。
3. 300K入力ではAstraのコスト構造が大きく変わる
キャッシュなしの入力300K Token、出力20K Tokenなら次のようになります。
Astra: 0.3 × $20 + 0.02 × $75 = $7.50
Fable: 0.3 × $10 + 0.02 × $50 = $4.00
Astraは272Kを超えると、超過した28Kだけでなく リクエスト全体 に追加料金がかかります。Inputとcacheは2倍、outputは1.5倍です。リポジトリ全体、大量の契約書、研究資料一式を投入すると、同じ基本単価でも差が大きくなります。
4. 「Token単価が安い」と「1タスクが安い」は別の話
Artificial Analysisには、一見矛盾する二つの結果があります。
- low effortでは、GPT-6 Astraの評価タスクあたりコストは約 $0.82、Claude Fable 5.1は約 $2.37。
- max effortで、cache hit/input/outputを7:2:1とした加重コストは、Fableが約 $7.17 / 1M Token、Astraが約 $7.70。
両方成立します。Cost per taskは成功率、推論の長さ、effortに左右されます。加重Token単価は固定したトラフィック構成を仮定しています。Productionでは、合格する成果物を1件得るための総コストを測るべきです。
Benchmarkから本当に読み取れること
OpenAIが公開した直接比較
GPT-6 Astraの発表ページには次の比較があります。
| Benchmark | GPT-6 Astra | Claude Fable 5.1 | 優位 |
|---|---|---|---|
| AutomationBench | 41.4% | 31.4% | Astra |
| Terminal-Bench 4.0 | 57.9% | 55.8% | Astra |
| DeepSWE v1.1 | 74.1% | 67.4% | Astra |
| Terminal-Bench Science 0.1 | 64.6% | 52.6% | Astra |
| GPQA Diamond | 96.0% | 93.7% | Astra |
| Humanity’s Last Exam with tools | 57.2% | 65.0% | Fable |
自動化、ターミナル、ソフトウェア開発、ツールを使う科学処理では、Astraを最初に試す根拠になります。ただしOpenAIが公開した結果です。Harness、ツール、effort、プロンプト、再試行方針が異なる可能性があるため、方向性を示す証拠として扱い、万能な結論にはしないでください。
独立比較:総合指数は同じでも得意分野は違う
Artificial Analysis v4.3では、両モデルのIntelligence Indexは 53 です。同じ比較ページでは、
- Claude Fable 5.1の生成速度は約 66.4 Token/秒、Astra maxは約 51.3 Token/秒。
- AstraはAutomationBench-AAやTerminal-Bench 4.0など、一部のAgent評価で優位。
- FableはSciCodeやHumanity’s Last Examなど、一部の推論評価で優位。
- effort、fallback、ツール、Agent環境によって結果は変わる。
「53対53だから完全に同じ」ではありません。同じ能力帯にいる一方で、強みの分布が異なると理解するのが実用的です。
ブランドではなくワークロードで選ぶ
GPT-6 Astraを先に試す場面
- 多くのツールを使い、実行中に人が介入したい。 OpenAIは非同期ツール呼び出しとmid-turn steeringを強調しています。
- ターミナルや自動化が中心。 Terminal-BenchとAutomationBenchの結果から、システム設定や運用フローの第一候補になります。
- 科学・専門ソフトと推論を組み合わせる。 Terminal-Bench Science、GPQA、BenchCADはtool-assistedな科学・工学処理での可能性を示します。
- low effortで低コストの初回実行をしたい。 独立評価のtask-level costはAstraが有利ですが、成功率と手戻りも記録します。
Claude Fable 5.1を先に試す場面
- 大きなプレフィックスを何度も再利用する。 リポジトリ索引、製品仕様、ナレッジベース、契約書テンプレートなどです。Fableのcache readはAstraの4分の1です。
- 入力が頻繁に272Kを超える。 1Mコンテキスト内では、Astraのようなリクエスト全体への追加料金がありません。
- Agentを長時間自律動作させる。 AnthropicはFable 5.1をdemanding reasoningとlong-horizon agentic work向けに位置付けています。
- 出力スループットを重視する。 独立比較ではFableの方が高速です。
コーディングでは「モデル + Agent」を比較する
Codex、Claude Code、Cursor、自作Agentは次を決めます。
- system promptの組み立て方
- どのファイルをコンテキストに入れるか
- いつツールを呼ぶか
- 失敗時に再試行するか
- テストをどう実行・解釈するか
- いつコンテキストを圧縮・キャッシュするか
したがって、Codex上のAstraとClaude Code上のFableは、二つのシステム全体の比較です。評価時にはクライアント名とバージョンも記録してください。
重要なAPI差分:tool_choice
Claude Fable 5.1はツール呼び出しの強制に対応していません。以下は 400 invalid_request_error になります。
{"tool_choice":{"type":"any"}}
および、
{"tool_choice":{"type":"tool","name":"your_tool"}}
利用できるのは auto と none です。ツール引数をschemaに厳密準拠させたい場合は、auto とstrict tool useを組み合わせます。応答全体を固定JSON形式にしたい場合はstructured outputsを使います。
「このターンでは必ず特定ツールを呼ぶ」ことが前提のアプリでは、この制約が小さなBenchmark差より重要です。AstraからFableへの移行がModel IDの置換だけで済むとは限りません。
自分の仕事で公平なA/Bテストを行う
一度だけ曖昧な質問をして勝者を決めないでください。実際に料金を払って実行したいタスクを3〜5件選び、入力と受け入れ条件を固定します。
最低限、次を記録します。
| 指標 | 記録内容 |
|---|---|
| タスク完了 | 文章が自然かではなく、全受け入れ条件を満たしたか |
| 自動テスト | 成功・失敗数、無関係な変更の有無 |
| 人の手戻り | 追加プロンプト、手動修正、レビュー時間 |
| エンドツーエンド時間 | 依頼から合格結果までの総時間 |
| Token | input、output、cache write、cache readを分離 |
| 総コスト | 1リクエストではなく、合格結果1件あたり |
| 安定性 | 重要タスクを最低2回繰り返し、ばらつきを記録 |
日本語プロンプト例:コード不具合の修正
目的:決済コールバックが重複処理される問題を修正する。
変更可能な範囲:コールバックの冪等性ロジックと、その関連テストだけを変更する。
行わないこと:決済モジュール全体をリファクタリングしない。依存関係を更新しない。他の決済チャネルを変更しない。
完了条件:同じコールバックが複数回届いても入金は1回だけ行われ、既存の正常なコールバック動作は変わらない。
検証:決済コールバック関連のテストだけを実行する。合格したら停止し、無関係な全テストは実行しない。
両モデルで同じリポジトリrevision、branch、ツール権限、テストコマンドを使います。説明の自信ではなく、少ない手戻りでmerge可能な変更を出したかを比較します。
日本語プロンプト例:長文書セットの分析
提供された契約書と添付資料を読み、次の質問だけに回答してください。
1. 自動更新が発動する条件と、解約の最終期限は何ですか。
2. 価格変更は何日前までに通知する必要がありますか。
3. 当社が上限のない責任を負う可能性がある条項はどれですか。
各結論にファイル名と条項番号を付けてください。資料から確認できない場合は推測せず、「提供資料では確認できない」と書いてください。最後に、高・中・低リスクの順で対応リストを示してください。
このタスクでは、長文コンテキスト検索、根拠箇所の特定、引用の正確性、実行可能性を同時に確認できます。同じ資料に何度も質問する場合はcache hit率も記録します。
日本語プロンプト例:複数ステップのAgentタスク
このサービスの直近デプロイが失敗した原因を調査してください。
最初にデプロイログと関連設定を読み、最も可能性の高い根本原因を示してください。十分な根拠がある場合だけコードまたは設定を変更してください。変更後は最も関連する検証を実行し、変更内容、結果、残るリスクをまとめてください。権限や情報が足りない場合は、何が不足しているかを明示し、結果を捏造しないでください。
ツール選択、実行中の軌道修正、エラー回復、最終的な証拠のつながりを観察できます。
BetterTokenで両モデルを比較する
BetterTokenの現行カタログでは、正確なModel IDは次の通りです。
| モデル | Model ID | API Keyグループ | 主なプロトコル |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | gpt-6-astra | GPT | OpenAI-compatible / Responses |
| Claude Fable 5.1 | claude-fable-5-1 | Claude | Anthropic-compatible、一部ツールではOpenAI-compatible |
すべてのクライアントに同じBase URLを設定しないでください。
- OpenAI Responses経由のCodexでは、BetterTokenドキュメントは
https://www.bettertoken.ai/v1を使用します。 - Anthropic Messages経由のClaude Codeでは、
ANTHROPIC_BASE_URLはhttps://bettertoken.aiで、/v1を付けません。
必要なグループのAPI Keyを作成し、クライアント別のガイドに従います。Dashboardでmodel、status、input、output、cache、costを記録し、テスト資料を同一に保ち、クライアント名とバージョンも残します。
最終判断マトリクス
| 主な要件 | 最初に試すモデル | 理由 |
|---|---|---|
| 複雑なツール、Computer Use、ターミナル自動化 | GPT-6 Astra | tool/terminal評価が強く、mid-turn steeringに対応 |
| 大規模リポジトリや知識ベースへの反復質問 | Claude Fable 5.1 | cache readが安い |
| 入力が頻繁に272Kを超える | Claude Fable 5.1 | Astraのリクエスト全体追加料金がない |
| low effortでタスク単価を抑える | GPT-6 Astra | 独立評価のlow-effort task costが低い |
| 高い出力スループット | Claude Fable 5.1 | 独立比較で生成が速い |
| 科学、CAD、専門ソフトのワークフロー | GPT-6 Astra | 公開されたtool-assisted評価が強い |
| 長時間の自律研究やシステム横断調査 | Claude Fable 5.1 | long-horizon agentic work向けで長文コストも有利 |
| Productionコーディング | 両方を試す | リポジトリとagent harnessが総合点以上に重要なことが多い |
よくある質問
Claude Astraとは何ですか。
現在、その名称のモデルはありません。AstraはOpenAIのGPT-6 Astraを指し、本比較のAnthropicモデルはClaude Fable 5.1です。claude astraは製品名ではなく、混在した検索語として使われることが多い表現です。
どちらが賢いですか。
Artificial Analysis v4.3では両方のIntelligence Indexが53です。個別Benchmarkでは勝者が分かれるため、実際のワークロードで検証する必要があります。
どちらのAPIが安いですか。
標準の入力・出力料金は同じです。キャッシュの反復読み取りと272K超の入力はFableが有利になりやすく、low effortのtask costはAstraが有利です。合格結果1件の総コストで比較してください。
コーディングにはどちらが向きますか。
すべてのリポジトリに共通する答えはありません。AstraはCodex、FableはClaude Codeで強い場合があります。同じbranch、権限、タスク、検証コマンドで比較し、人の手戻りを数えます。
両方とも約1M Tokenのコンテキストに対応しますか。
はい。Astraは1,050,000、Fableは1,000,000 Tokenで、最大出力はいずれも128,000 Tokenです。ただしAstraは入力が272Kを超えるとリクエスト全体の料金が上がります。
Fable 5.1に特定ツールの呼び出しを強制できますか。
できません。tool_choiceのanyまたは名前付きtoolは400エラーになります。autoかnoneを使い、既存Agentを移行する前に動作を確認してください。
BetterTokenで両方を試せますか。
はい。正確なModel IDと対応するAPI Keyグループを使い、Codex、Claude Code、その他クライアントごとにprotocolとBase URLを設定します。請求の基準は最新の料金ページとDashboardの実績です。
参考資料
- OpenAI:GPT-6 Astra発表
- OpenAI API:GPT-6 Astraの仕様と料金
- Anthropic:Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1
- Claude Platform:モデル概要
- Claude Platform:API料金
- Claude Platform:Fable 5.1の
tool_choice制限 - Artificial Analysis:GPT-6 Astra vs Claude Fable 5.1
- BetterToken:モデルと料金
- BetterTokenドキュメント:Codex
- BetterTokenドキュメント:Claude Code