Seedance Draftでプロンプトを試し、1080p本番レンダーを選ぶ方法
複数のDraftを比較し、1本だけEnhanceして、本番版で被写体と動きが保たれたか確認する手順です。
目次

同じショットに複数のプロンプトやカメラ案があり、すべてを最初から1080pで生成したくない場合があります。Runwayの Tools でSeedance 2.5の Draft を使い、まず480pの試写を作りましょう。1回の比較で変える要素を一つに絞り、被写体と動きが合格したDraftだけに Enhance Draft を実行します。
Draftは無料プレビューではありません。Draftにもcreditsがかかり、Enhanceは別の生成として課金されます。Draftが本番品質で作るはずだった不採用案を置き換えたときだけ、試行全体の消費を抑えられます。
まず、そのショットにDraftが必要か判断する
複数のプロンプト、参照素材、カメラ動作を本当に比較するときはDraftが向いています。設定が一つに決まっていて生成も一度だけの予定なら、最初から1080pにした方が通常は安くなります。
2026年9月28日に確認したRunwayのSeedance 2.5公式ガイドでは、次のように案内されています。
| 項目 | 公式ルール |
|---|---|
| Draftを使える場所 | Toolsのみ |
| Draftの解像度 | 常に480p |
| Draftの料金 | 出力1秒あたり20 credits。通常の480pと同じ |
| Enhanceの出力 | 1080p |
| Enhance Draftの料金 | 出力1秒あたり68 credits。別生成として課金 |
| 実行期限 | Draft生成から7日以内 |
| assetの扱い | Enhancedは別asset。元のDraftは変更されない |
動画を参照素材にすると、入力動画の長さに応じた追加creditsが発生する場合があります。以下の計算には含めていません。料金や提供状況は変わり得るため、実行前に公式ページを再確認してください。
Draftを1本作ってEnhanceすると、直接1本作るより高い
5秒のショットなら、次の計算です。
- 1080pを直接1本生成:
5 × 68 = 340 credits - Draftを1本作ってEnhance:
5 × 20 + 5 × 68 = 440 credits
最初の設定がそのまま成功するなら、Draftの分だけ100 credits多くなります。すべてのショットで必須の手順にするべきではありません。
複数案を比べるとき、Draftは不要な本番レンダーを減らせる
5秒の案を3本比べる場合は次の通りです。
- 3案すべてを1080pで生成:
3 × 340 = 1,020 credits - 3案をDraftにし、1案だけEnhance:
3 × 100 + 340 = 640 credits
後者は380 credits少なくなります。最終版が無料なのではなく、不採用の2案を1080pで作らずに済むことが理由です。
手順1:合格ショットが守る条件を先に書く
プロンプトを書き換える前に、被写体、動き、終了状態の条件を決めます。 合格条件がなければ「なんとなく良い」で選ぶことになり、Enhance後に何を比較すべきか分かりません。
次の3種類を固定してください。
- 被写体:人物や物体の数、同一性、シルエット、服の色、必須の小道具、変えてはいけない特徴。
- 動き:方向、動作の順序、開始状態、終了状態、カメラ移動。
- 画面:ショットサイズ、構図、アスペクト比、長さ、音声の有無。
「少女が自転車で通りを走る」だけでは判定できません。「黄色いレインコートの同じ少女が左から右へ走り、両手をハンドルに置いたまま、カメラが平行移動で追い、最後に赤いドアの前で止まる」と書けば、項目ごとに確認できます。
Runwayは、肯定的で曖昧さがなく、望む結果を示す表現を推奨しています。タイムスタンプはテンポの目安にはなりますが、フレーム単位の正確な編集点ではありません。正確なタイミングが必要なら後工程で調整します。
手順2:一度に一つだけ変える比較表を作る
各バージョンで主な変更点を一つにすると、何が改善につながったか説明できます。 被写体、カメラ、動作を同時に変えると、成功条件を再現できません。
| 版 | 今回だけ変えるもの | 固定するもの | 被写体 0–2 | 動き 0–2 | カメラ 0–2 | 判断 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 基準プロンプト | 長さ、比率、参照素材 | ||||
| B | 動作の順序 | それ以外すべて | ||||
| C | カメラ経路 | それ以外すべて |
採点は 0 = 明確な失敗、1 = 境界または不安定、2 = 許容 で十分です。被写体と動きは必須条件です。映像が印象的でも、どちらかが2未満ならEnhanceへ進めません。
手順3:Toolsで複数のDraftを生成する
プロンプトやショット案を比較する前に、長さ、アスペクト比、音声、参照素材を固定します。 周辺条件が同じでなければ、公平に比較できません。
- Runwayの Tools を開き、Video、Seedance 2.5 の順に選びます。
- モードを選びます。複数の素材を組み合わせるなら Reference、最初と最後のフレームを強く指定するなら Keyframe が向いています。
- 画像、動画、音声の参照を追加し、プロンプト内で各素材の役割を明示します。
- 長さ、アスペクト比、音声設定、出力形式を同じにします。試験では、動作を判定できる最短の長さにします。
- Generate の横にある矢印を開き、Draft を選びます。
- 処理完了を待ちます。処理時間は入力、長さ、解像度に依存するため、一度の結果を固定時間として扱いません。
- 出力をA、B、Cと記録し、それぞれで一つだけ変えた項目を残します。
DraftはfeedにDraftマーク付きで表示されます。方向性が違う場合、公式ガイドはプロンプトや参照素材を調整して新しいDraftを作るよう案内しています。Enhanceが構造的な失敗を直すとは考えないでください。
手順4:被写体と動きが合格したDraftだけを選ぶ
480pは構造の判断には使えますが、最終的な質感の評価には向きません。 まず「何が起きたか」を見てから、「どれだけ精細か」を見ます。
被写体を確認する
人数、同一性、シルエット、服、色、小道具を確認します。顔や素材の細かな質感は1080pで見ればよい一方、人物が増える、小道具を持つ手が変わる、服の色が変わるといった現象は構造的な失敗です。
動きを確認する
方向、動作順、開始、終了を確認します。「振り向いてからカップを取る」という指示なのに順序が逆なら、Enhanceせずプロンプトを修正します。
カメラと構図を確認する
主なカメラ経路、被写体の位置、遮蔽、最終構図を確認します。480pの圧縮はこの段階の主問題ではありませんが、カメラ移動の違いはショットの意図を変えます。
昇格ルールを決める
実用的な基準は、被写体 = 2、動き = 2、カメラは最低1です。2案が合格したら、「なぜ成功したか」を言葉で説明できる方を選び、単に派手に見える方だけを選ばないようにします。
手順5:選んだDraftだけを7日以内にEnhanceする
Enhance Draftは有料の本番生成であり、無料の拡大処理ではありません。 選定後にだけ実行します。
- feedで採用Draftを選びます。
- Enhance Draft を選びます。
- 1080p版の完成を待ちます。
- 元のDraftも残します。Enhancedは別assetとして表示され、別料金になります。
- 7日以内に実行します。期限を過ぎると、Runwayの案内ではフル品質で再生成する必要があります。
Upscale をEnhance Draftの代わりにしないでください。Enhance DraftはDraftに対応するフル品質1080p版を作り、Upscaleは完成済み出力の解像度を上げる機能です。
手順6:DraftとEnhancedをダウンロードして並べて比較する
二つのプレビューを記憶だけで行き来せず、対応する一組のファイルとして保存します。 Runwayのasset管理ガイドでは、生成結果はassetとして保存されます。ローカルで比べる場合はAssetsで二つを選び、Actions > Download を使います。一括ダウンロードの公式ガイドによると、選択したファイルはZIPで取得できます。
同じプレイヤーまたは編集タイムラインに置き、先頭フレームを合わせ、同じ速度で再生します。開始、中間、終了に加え、重要な動作の直前と直後を確認してください。
| 比較項目 | 合格条件 |
|---|---|
| 被写体 | 人数、同一性、服、色、小道具に、物語を壊す変化がない |
| 動き | 方向、動作順、開始・終了状態が許容範囲にある |
| カメラ | 主経路、ショットサイズ、最終構図が同じ意図を保つ |
| 連続性 | 手、遮蔽、物の受け渡し、空間関係に新しい重大エラーがない |
| タイミング | 重要な動作が許容時間内にある |
| 音声 | 有効にした場合、音と映像の関係が利用できる |
「保たれた」はピクセル単位で同一という意味ではありません。RunwayはDraftとEnhancedが決定論的に一致する保証を公開していません。実務上の基準は、本番版に、最初からこのショットを選ばなかったと思うほどの差が入ったかです。入ったなら不合格として、プロンプトか参照素材へ戻ります。
よくある問題の分岐
Generateがグレー表示になる
Runwayによると、参照素材が入力要件を満たしていない場合が一般的です。無効なボタンにカーソルを合わせ、必要な修正内容を確認し、素材数、形式、長さを見直します。
Draftが表示されない
Seedance 2.5を Tools で使っているか確認します。Draftは現在、WorkflowsとAgentでは利用できません。
Enhance Draftが表示されない
選択したassetにDraftマークがあり、生成から7日以内か確認します。期限後は、新しいフル品質生成が必要です。
想定よりcreditsが多く減った
DraftとEnhanceを二つの生成として合計し、動画参照の入力時間に対する追加料金も確認します。出力秒数だけでは総額を過小評価する場合があります。
Enhancedで被写体や動きが変わった
両方を保存・ダウンロードし、表を使って差が被写体、動作、カメラ、タイミングのどこにあるか特定します。公式ガイドは、EnhanceがDraftの構造エラーを修復すると約束していません。用途を損なう差なら、プロンプトか参照素材を修正し、新しいDraft比較を始めます。
繰り返せる最小手順
- 被写体、動き、終了フレームの三つの必須条件を書く。
- 長さ、アスペクト比、音声、参照素材を固定する。
- 三つのプロンプトを用意し、それぞれ主な変数を一つだけ変える。
- Toolsで三つとも480p Draftとして生成する。
- 被写体、動き、カメラを0〜2で採点し、被写体 = 2、動き = 2だけを残す。
- 7日以内に採用案一つだけをEnhanceする。
- DraftとEnhancedをダウンロードし、同じタイムラインで開始、中間、終了、重要動作を比較する。
- 本番版に採用判断を変えるほどの被写体や動きのずれがない場合だけ、編集工程へ渡す。
この方法の価値は、単に「低解像度の後に高解像度を作る」ことではありません。試行を記録し、比較可能にし、停止条件を持たせることです。Draftが必ずcreditsを節約するわけではありませんが、複数案を本当に比べる場面では、フル品質の費用を採用ショットに集中できます。