GPT-6.1 TerraのAPI料金とCodex設定:Solとの使い分け
範囲が明確なコード修正や反復的なアプリ操作にはGPT-6.1 Terraを使い、難しい調査や変更はSolまたはAstraに任せます。CodexとResponses APIの設定、独立したコーディング評価、キャッシュ・長いコンテキスト・処理モード・OpenRouterの入金手数料を含む費用の計算方法を確認します。
目次

GPT-6.1 Terraは、範囲を絞ったコード修正や、完了条件を確認しやすいアプリの反復操作に使ってください。原因が曖昧な不具合の調査や、コードベースにまたがる複雑な変更にはGPT-6.1 SolかGPT-6 Astraを選びます。2026-10-27時点のTerraのStandard API料金は、1,000,000トークン当たり入力$1、出力$5です。
入力と出力の単価は、Solの現行Standard料金の半分です。ただし、完了した作業当たりの費用には、推論量、再試行、キャッシュ書き込み、コンテキストの長さも影響します。単価が半分でも、作業全体の費用が同じ割合で下がるとは限りません。
TerraとSolはどう使い分けますか?
結果を簡単に確認でき、失敗しても低い費用で修正できる仕事にはTerraを選びます。局所的なパッチ、テストの更新、同じ手順を繰り返すアプリ操作から試すと判断しやすくなります。
OpenAIは、前世代のTerraからコーディング能力が大きく改善したと報告しています。最大の推論レベルでは、GPT-6.1 Terraの**Terminal-Bench 4.0のスコアは50.3%**です。GPT-5.6 Terraの公表値は21.5%でした。一方、発表記事では、最も複雑なコーディングには引き続きSolまたはAstraを推奨しています。
独立した評価を見ると、トークン単価だけでは判断できない理由が分かります。2026-10-27時点で、Artificial Analysisは次のCodex評価結果を公開しています。
| Codexで使うモデル | 推論レベル | Coding Agent Index v2.0 | 作業当たりの平均API費用 | エージェントの平均実行時間 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-6.1 Terra | xhigh | 48 | $0.69 | 16.4 minutes |
| GPT-6.1 Terra | max | 48 | $1.24 | 26.1 minutes |
| GPT-6.1 Sol | max | 54 | $1.50 | 23.7 minutes |
| GPT-6 Astra | max | 55 | $7.04 | 24.8 minutes |
この指数は、採点方法が異なる三つのベンチマークを組み合わせています。点数を、そのままあらゆる作業に共通する成功率と解釈しないでください。評価方法では、各作業の試行にかかったAPI料金を計算します。該当するキャッシュ読み取りと書き込みの費用も含まれます。
この評価では、TerraのmaxはSolのmaxより安いものの、時間が長く、点数も低くなっています。Terraのxhighは、Terraのmaxと同じ丸め後の指数を、より低い費用で達成しています。maxが最も費用対効果に優れると考える前に、xhighを自分の作業で試してください。
OpenAIが示したOpusに対する約九倍の費用面の優位性は、Agents’ Last Examの評価結果です。SolとAstraに対する三倍超の速度も、このコンピューター操作の評価に限った結果です。コーディングでも同じ差が出ると示したものではありません。
本番環境の難しい不具合なら、まずSolから始めます。信頼できるテストや、目視できる終了状態がある反復作業なら、Terraを先に試してください。
CodexでGPT-6.1 Terraを使う
Codex CLI 0.159.0以降を使い、gpt-6.1-terraを明示的に選択してください。モデルの公式手順に、この最低バージョンと起動コマンドが記載されています。
2026-10-27時点で、TerraはPlus、Pro、Business、Enterprise、EduのWorkとCodexで利用できます。日付付きの製品更新情報には、Businessも明記されています。Chatでは利用できません。
Enterpriseでの利用は、ワークスペースの対応状況と管理者の設定に左右されます。また、Terraは推論処理をUAE内に限定する要件には対応していません。この制限は推論処理を行う地域の指定に関するものです。
macOSまたはLinuxのBashで、対象リポジトリのディレクトリに移動してください。Codexの公式リポジトリには、次のインストーラーが案内されています。
curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh
codex --version
codex login
codex login status
codex -m gpt-6.1-terra
バージョンが0.159.0以上であることを確認します。その後、対象プランのChatGPTアカウントを使って、ブラウザーでログインを完了してください。
セッション内では、/statusで現在のモデルを確認します。利用可能な推論レベルは/modelで選択できます。どちらもCLIコマンドのリファレンスに記載されています。
簡単な利用確認として、リポジトリのテスト実行コマンドを調べ、既存のテストを一つ説明するようCodexに依頼してください。ログインに成功しただけでなく、回答が完了することまで確認します。これで、実際にモデルを呼び出せるかを確かめられます。
Terraを選べない場合は、CLIのバージョン、アカウントの利用資格、ワークスペースの制御を確認します。~/.codex/config.tomlと、信頼済みプロジェクトの.codex/config.tomlにあるプロバイダー設定も調べてください。-mはモデルを選ぶ指定であり、既存のプロバイダー設定を置き換えるものではありません。
ChatGPTでのログインは、サブスクリプションの利用枠を使います。APIキーでのログインでは、代わりにOpenAI Platformアカウントへ課金されます。Terraなら同じ利用枠でより多く作業できる可能性がありますが、API単価から固定の作業回数は計算できません。
Terraは、提供されている環境ではCodexのFastモードにも対応し、/fastで切り替えられます。サブスクリプションに含まれる利用枠の消費はStandardの2.5×です。購入クレジットとEnterpriseの従量課金はStandardの2×で計算されます。
Responses APIからTerraを呼び出す
アプリやエージェントではResponses APIを使ってください。Terraでツールを呼び出すには、このAPIが必要です。
モデルリファレンスには、2026-10-27時点で次の仕様が記載されています。
| 設定 | 文書化されている値 |
|---|---|
| APIモデルID | gpt-6.1-terra |
reasoning.effort | none、low、medium、high、xhigh、max |
| APIの既定の推論レベル | medium |
| コンテキストウィンドウ | 1,050,000 tokens |
| 最大出力 | 128,000 tokens |
| 知識の期限 | 2026-06-01 |
| 入出力 | 入力はテキストと画像、出力はテキスト |
| ツール呼び出しのインターフェース | Responses API |
APIのコンテキスト仕様が、そのままCodexで利用できる量を示すわけではありません。Codexは、コンテキストの上限や各種設定をモデルカタログから取得します。1,000,000トークン規模のコーディングを計画する前に、セッションに表示される上限を確認してください。
APIへ直接接続して確認するには、OpenAI Platformのキーと、有効なAPI課金が必要です。Bash、現在のcurl、jqも用意してください。readが入力を待ったらキーを貼り付け、Enterを押します。
set -o pipefail
read -rs OPENAI_API_KEY && export OPENAI_API_KEY
curl --silent --show-error --fail-with-body \
https://api.openai.com/v1/responses \
--header "Authorization: Bearer ${OPENAI_API_KEY}" \
--header "Content-Type: application/json" \
--data '{
"model": "gpt-6.1-terra",
"reasoning": {"effort": "medium"},
"service_tier": "default",
"max_output_tokens": 4096,
"prompt_cache_options": {"mode": "explicit"},
"store": false,
"input": "Fix this Python function so empty input returns None, then provide two pytest tests: def first(xs): return xs[0]"
}' |
jq '{
id, model, status, service_tier,
text: ([.output[]? | select(.type == "message")
| .content[]? | select(.type == "output_text") | .text] | join("\n")),
usage, error, incomplete_details
}'
この例は、Responsesのリクエスト形式に従っています。jqの選択処理は、返されたoutput配列のメッセージ項目から、回答のテキストを取り出します。
成功した場合、statusはcompletedになります。textに生成されたコードとテスト、usageにトークン数が表示されます。このリクエストは同期処理なので、完了状態を繰り返し問い合わせるポーリングは不要です。
例ではStandard処理を明示的に選択しています。また、書き込み箇所を示すブレークポイントを指定せず、明示的キャッシュを選んでいます。この設定により、このリクエストではキャッシュ書き込みが発生しません。
結果が未完了なら、incomplete_detailsを確認してください。出力上限には推論トークンも含まれるため、上限が小さいと回答を完成させる前に使い切る場合があります。HTTPエラーでは文書化されたエラーコードを確認し、認証、クレジット不足、レート制限を区別してください。それぞれ必要な対処が異なります。
コンピューター操作には、computer useのガイドで説明される実行環境を追加します。アプリ側で許可された操作を実行し、更新後のスクリーンショットを返す必要があります。上のテキストリクエストだけで、ブラウザーやデスクトップを操作できるわけではありません。
GPT-6.1 TerraのAPI料金を計算する
各リクエストの料金は、通常入力、キャッシュ読み取り、キャッシュ書き込み、課金対象の出力に分けて計算してください。見えている回答文だけを数えると、推論モデルの使用量を過小評価します。
次はOpenAIへ直接接続した場合のStandard料金です。単位はUSDで、各単価は1,000,000トークン当たりの金額です。2026-10-27に確認された値を示します。
| トークンの区分 | 入力が272,000トークン以下のリクエスト | 入力が272,000トークンを超えるリクエスト |
|---|---|---|
| 通常入力 | $1.00 | $2.00 |
| キャッシュ読み取り | $0.05 | $0.10 |
| キャッシュ書き込み、30分保持 | $1.25 | $2.50 |
| キャッシュ書き込み、12時間保持 | $2.50 | $5.00 |
| 出力 | $5.00 | $7.50 |
モデルの料金規則では、長いコンテキストの追加料金がリクエスト全体に適用されます。キャッシュ読み取りと書き込みにも、入力側と同じ倍率がかかります。
たとえば、通常入力が100,000トークン、課金対象の出力が10,000トークンの場合を見積もると、次の計算になります。
(100,000 × $1.00 + 10,000 × $5.00) / 1,000,000 = $0.15
Solの入力$2、出力$10という単価では、同じトークン量の料金は$0.30です。この比較では、両モデルが同じ数のトークンを使うと仮定しています。実際のコーディングでは、使用するトークン数が異なる可能性があります。
これらの試算はStandard処理を使い、地域指定の追加料金がない場合です。追加ツールやホスティングの費用は含みません。税金とゲートウェイの手数料も別途考慮します。課金対象の出力には、推論トークンも含まれます。
入力が272Kを超えると何が変わりますか?
入力が272,000トークンを超えると、リクエスト全体の単価が変わります。上限を超えた部分だけが高くなる仕組みではありません。
通常入力が300,000トークン、課金対象の出力が10,000トークンのリクエストなら、見積もりは次のとおりです。
(300,000 × $2.00 + 10,000 × $7.50) / 1,000,000 = $0.675
入力の単価は倍になり、出力の単価は50%上がります。長いエージェントセッションでは、リクエストごとにこの条件を確認してください。直近の指示が短くても、蓄積された会話全体で境界を超える場合があります。
次の処理に必要なコンテキストだけを残してください。より大きなコンテキスト枠を選ぶ前に、実際のトークン数と作業結果の品質を比較します。
キャッシュ書き込みはどう数えますか?
キャッシュ書き込みは、独立した入力区分として扱ってください。公開された書き込み単価には、そのトークンの処理費用が含まれています。同じトークンについて、通常入力の料金をもう一度加算してはいけません。
プロンプトキャッシュのガイドでは、次の使用量フィールドを確認できます。
usage.input_tokens:入力の合計です。usage.input_tokens_details.cached_tokens:課金対象のキャッシュ読み取りです。usage.input_tokens_details.cache_write_tokens:課金対象のキャッシュ書き込みです。
通常入力は、入力の合計からキャッシュ読み取りと書き込みを引いた値です。保持期間が混在する場合は、cache_write_tokens_details.ttl_30m_tokensとttl_12h_tokensで、期間別の書き込みを分けます。
100,000トークンを30分保持のキャッシュへ書き込み、10,000トークンを出力するリクエストの見積もりは次のとおりです。
(100,000 × $1.25 + 10,000 × $5.00) / 1,000,000 = $0.175
次回、同じ100,000トークンをキャッシュから読み取り、同じ出力量を使うリクエストは$0.055です。この節約は、リクエストの先頭部分が一致し、キャッシュを再利用できる条件を満たすことが前提です。
再利用するコンテキストでは、prompt_cache_options.ttlを"30m"または"12h"に設定します。毎回変わり、再利用しないコンテキストなら、明示的なブレークポイントで不要な書き込みを避けられます。
Batch、Flex、Fastでは料金がどう変わりますか?
待ち時間を許容できる仕事には、割引される処理方式を使ってください。対話しながら行うコーディングは、速度向上に追加料金を払う価値がある場合を除き、Standardから始めます。
2026-10-27時点の条件は次のとおりです。
- **Batch:**トークン料金はStandardより50%低くなります。Batch APIでは、完了期限が24時間の非同期ジョブを使います。
- **Flex:**トークン料金はStandardより50%低くなります。
service_tierを"flex"に設定すると、応答が遅くなり、リソースを確保できない場合がある処理を選べます。 - **Fast:**トークン料金はStandardの2×です。
service_tierを"fast"に設定し、Fastのガイドに従って、応答に返された処理区分を確認してください。
地域指定の処理が提供されている場合は、10%の追加料金がかかります。これらはAPIの料金であり、Codexのサブスクリプション利用枠に適用される消費倍率とは別です。
OpenRouterでは専用のモデルIDと手数料を確認する
現在のルーティングや請求管理に適しているなら、OpenRouterを選んでください。Terraの掲載は確認されていますが、モデルIDと会話状態の扱いは、OpenAIへの直接接続と異なります。
2026-10-27時点のOpenRouterカタログには、Terraが掲載されています。直接接続とOpenRouterでは、次のモデルIDとResponsesのURLを使い分けます。
| 接続先 | モデルID | Responsesの完全なURL |
|---|---|---|
| OpenAIへ直接接続 | gpt-6.1-terra | https://api.openai.com/v1/responses |
| OpenRouter | openai/gpt-6.1-terra | https://openrouter.ai/api/v1/responses |
選んだプロバイダーで発行した、自分のキーをBearer認証に使ってください。OpenRouter用のSDKクライアントでは、ベースURLはhttps://openrouter.ai/api/v1です。
OpenRouterの単価は、1,000,000トークン当たり入力$1、出力$5、キャッシュ読み取り$0.05、書き込み$1.25です。カタログには、プロンプトが272,000トークンを超える場合の単価も個別に定義されています。その場合は順に$2、$7.50、$0.10、$2.50となります。
OpenRouterのResponsesインターフェースはステートレスです。会話履歴は各リクエストで送信してください。store: true、またはnull以外のprevious_response_idを指定すると、HTTP 400が返されます。
実際に支払う金額を見積もるときは、入金手数料も加えます。OpenRouter Standardでは、クレジットを購入するときに5.5%がかかります。カード購入には最低手数料$0.80があります。
たとえば、Standardのクレジット$100分を買う支払額は、適用される税金を加える前で$105.50です。先ほどの$0.15のリクエストを100回実行すると、モデルのクレジットを$15消費します。入金手数料を使用額に比例して配分すると、次の見積もりになります。
100 × $0.15 × 1.055 = $15.825、つまり約$15.83です。
これは手数料を配分した支出額の見積もりです。手数料は各リクエストの実行時ではなく、アカウントへ入金するときに支払います。$10という小額の購入では、最低手数料の$0.80が適用されます。その場合に同じ5.5%で配分すると、正しい見積もりになりません。
既存のエージェントを移す前に、会話状態の管理方法と、必要なツールを確認してください。テキストリクエストが同じように動いても、エージェントの処理ループに含まれるすべてのツールとの互換性は確認できません。
完了条件を確認できる仕事をTerraに任せる
まずは範囲が明確な一種類の仕事をTerraへ移し、作業全体の結果を測定してください。要件を何度も解釈し直す仕事や、変更を統合する必要がある仕事は、現在のモデルに残します。
UIの回帰不具合なら、Solに不正な動作と合格条件を定義させます。Terraには、影響を受けるコンポーネント、対応するテストコマンド、期待する表示結果を渡してください。Solはパッチをレビューし、複数のコンポーネントにまたがる変更を担当します。
この役割分担は、コーディングの評価結果から導いた運用上の提案です。引用したベンチマークが、Solをまとめ役にしてTerraのサブエージェントを動かす構成を評価したわけではありません。
最初の試行、再試行、モデルによるレビューを含めた推論費用を合計してください。それを受け入れられた結果の数で割り、人によるレビュー時間は別に記録します。初回で合格したかどうかと、作業全体にかかった時間も残してください。
Terraのトークン単価が低いことは、こうした合計値が改善する場合に役立ちます。何度もSolにやり直しを頼む種類の仕事なら、その仕事は最初からSolへ割り当ててください。アプリの反復操作では、目視できる終了状態を定めます。アプリ側でその状態を確認してから、完了として受け入れてください。